事務所通信

タイトル:ビジネスサポート通信

The Business Support Report 2026年9月1日号

無門関第6則 世尊拈花(せそんねんげ)

 7月号で予告したようにこれから52回に分けて無門関の解説を始めます。修行僧は、初関として「趙州無字」か「隻手音声」から入ると言われていますが、私たちは、いわば門前の小僧の立場で、無門関にチャレンジしようとしていますので、日本の禅宗がどのような物語を経て来たのかのという歴史を知るために、第1回は、インド由来の有名な第6則「世尊拈花」から始めたいと思います。世尊、昔、霊山(りょうざん)会上(えじょう)に在って花を拈(ねん)じて衆(しゅ)に示す、是の時、衆(しゅ)皆な黙然(もくねん)たり。ただ迦葉(かしょう)尊者のみ破顔微笑(はがんみしょう)す。世尊云く「吾(われ)に正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)、涅槃妙心(ねはんみょうしん)、実相無相(じっそうむそう)、微妙(みにょう)の法門有り。不立文字(ふりゅうもんじ)、教外別伝(きょうげべつでん)、魔訶迦葉(まかかしょう)に付嘱(ふしょく)す」と。現代語訳を付けます。お釈迦様が、昔、霊鷲山(りょうじゅせん)で説法された時、一輪の花を持ち上げ、聴衆の前に示された。すると、大衆は皆黙っているだけだったが、ただ 魔訶迦葉だけは、顔を崩してにっこりとほほ笑んだ。そこで世尊は言われた、「私には深く秘められた正しい真理を求める眼(まなこ)を収めた蔵(正法眼蔵)があり、それは妙なる涅槃の境地に導く教えであり(涅槃妙心)、存在と無の両面にわたる教えであり(実相無相)、肉眼では見ることの出来ないような不思議の法門(微妙の法門)というものがある。それを言葉にせず(不立文字)、経典としてではなく、別の伝え方(教外別伝)で魔訶迦葉にゆだねよう」。というものです。これに無門慧開(えかい)禅師のかなり辛口のコメント(評唱)がつきます。無門曰く、黄面(おうめん)の瞿曇(ぐどん)、傍若無人。良(りょう)を圧して賤(せん)と為し、羊頭を掲げて狗肉を売る。将(まさ)におもえり、多少の奇特と。(以下省略) 頌(じゅ)に曰く、花を拈起し来(きた)って、尾巴(びは)已(すで)に露(あら)わる。迦葉破顔(かしょうはがん)、人天(にんてん)措(お)く罔(な)し。現代語訳を付けます。無門は言う、黄色の顔のお釈迦様もなんと独りよがりなものだ。善良な人間を連れ出して奴隷にするかと思えば、羊頭を掲げて狗肉を売りつけなさる。とても並みの人間の出来る芸とは言えぬ。頌(うた)つて言う、花をひねって見せるだけで、尻尾は丸出し。迦葉(かしょう)の破顔微笑(はがんみしょう)誰にも手が出せない。というものです。

令和7年分所得税等の確定申告

 

 国税庁はこのほど、「令和7年分の確定申告状況等」を公表しました。それによりますと、令和7年分の所得税等の確定申告書を提出した人は2,353万5千人(前年比0.6%増)で、このうち申告納税額がある人は627万6千人(同21.3%増)、その所得金額は54兆9617億円(同7.4%増)、申告納税額は4兆6897億円(同6.6%増)でした。確定申告書を提出した人のうち、土地等の譲渡所得(総合譲渡を含む)の申告者は60万2千人(同4.1%増)。そのうち所得金額がある人は40万6千人(同4.7%増)、その所得金額は6兆9394億円(同6.8%増)となり、前年分からいずれも増加しました。
 一方、株式等の譲渡所得の申告者は115万2千人(同2.5%減)で、そのうち所得金額がある人は73万7千人(同0.2%増)、所得金額は6兆8603億円(同15.2%減)となりました。
 令和5年10月からインボイス制度が導入され、制度導入後3回目となる令和7年分の個人事業者の消費税の確定申告においては、申告件数は216万8千件(同2.2%増)と前年分から4万8千件増加し、インボイス制度導入以降、年々増加傾向にあります。また、申告納税額についても8416億円(同5.1%増)となっており、前年分から412億円増加しました。
 贈与税の申告書の提出者は46万8千人(同1.2%減)で、そのうち申告納税額がある人は32万4千人(同2.8%減)、申告納税額は5038億円(同28.0%増)でした。前年分と比較して申告人員と納税人員は減少し、申告納税額は大幅に増加しました。贈与税の課税方法として、暦年課税を適用した人は39万1千人(同1.3%減)で、申告納税額は4215億円(同28.7%増)で、相続時精算課税を適用した人は7万7千人(同0.8%減)、申告納税額は823億円(同24.6%増)でした。

2026年度最低賃金について


 2026年7月28日に開催された中央最低賃金審議会で、2026年度の地域別最低賃金額改定の目安について答申が取りまとめられました。
 最低賃金とは、国が法律(最低賃金法)によって定める賃金の下限額のことです。毎月固定で支払われる賃金のみ対象となりますので、残業代等毎月変動する賃金は対象外となります。パートやアルバイト、派遣社員を含む全ての労働者に適用され、違反した場合は罰則(50万円以下の罰金)の対象となります。
 都道府県の経済実態(賃金、労働者の生計費、使用者の賃金支払い能力の3要素)を勘案して全都道府県をABCの3ランクに分けて、引上げ額の目安について、埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪の6都府県がランクされたAランクが 54 円、Bランク 56 円、Cランク 56円が提示されました。
 仮に目安どおりに各都道府県で引上げが行われた場合の全国加重平均は 1,176 円となり、全国加重平均の上昇額は 55 円(昨年度は 66 円)となります。
 労働者側は前年度を大幅に上回る75円を求め、経営者側は中東情勢の影響で中小企業の経営環境が悪化していることを主張しました。物価上昇率が前年同時期よりも鈍化していることなどを踏まえ、地域間格差の是正や、地方で人手不足が深刻化している現状を考慮し、下位ランクの地域の引き上げ額が上位ランクを上回りました。各都道府県の審議会で目安を踏まえた上で引き上げ額を決定し、例年10月初旬から新たな最低賃金が適用されますが、2025年度は10月初旬に発効したのはわずか13都道府県にとどまり、6県が年を越しての発効となったため、今年度の発効日が注目されます。
   2025年度は全47都道府県で初めて最低賃金が1,000円を突破したことも話題となりました。政府は2025年6月に閣議決定した「骨太の方針2025」において「2020年代に全国平均1,500円」という目標を掲げておりましたが、今年度の骨太の方針では、達成期限を「遅くとも30年代前半のできる限り早期に」と事実上先送りしました。
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