The Business Support Report 平成29年3月1日号
弊社では、「ふるさと納税」の制度発足以来、この制度の活用をアピールしてきたところですが、最近になって利用者の急増と共に、その行き過ぎた高額返戻金が問題視されるようになって「マスコミ」をにぎわしていますので、確定申告の時期に改めて「ふるさと納税」の趣旨とその活用についてコメントしておきます。
この制度は、地方創生を謳いながら実質的には東京一極集中がとまらない現状の中で、地方創生の目的をもって、「ふるさと」(出身地である必要はありません。お世話になった地域や応援したい地域や自治体を納税者自らが選択できる制度です。)に寄付をすればその地方の特産品等がお礼として届き、自らの居住地に納める住民税が減額されるように制度設計がされています。足切額は2000円ですので、損得勘定だけで言いますと、2000円でお礼の特産品を購入したのと同じ経済効果を生みます。この限度額が、住民税所得割の2割(従来1割)にまで拡大したことから2015年(平成27年)には、金額、件数とも前年を大きく上回り435,720件341億円から1,295,312件1469億円に急上昇しました。中にはiPadをお礼の品物に提供する自治体も現れてひんしゅくを買っています。各自治体も地元産業の育成を念頭に入れてお礼の品物をチョイスする必要があります。但し寄付が集まらなければその効果が出ないわけですから、知恵を絞らなくてはなりません。総務省でもそのあたりは、念頭にあるようで、総務省のふるさと納税HPで、その目的を①納税者が、税金の納付先(寄付先)を選択できる制度であること②生まれ故郷やお世話になった地域、応援したい地域を選択できる制度であること③自治体間の競争により地域の在り方を考えるきっかけになる制度であることをその目的として掲げています。この知恵を絞る工夫は、NPO法人その他の事業運営、事業経営に通じるものがあります。団塊世代が後期高齢者である75歳に到達する2025年に向けて、地域包括ケアシステムをどのように整備していくのか、お役所仕事が多い中で、個室重視を謳った特別養護老人ホームが高額負担金のために「ガラガラ」だったり、デイサービスの「老人」の奪い合いなどの制度のひずみも報告されています。社会に貢献するにも一工夫が必要なようです。
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