事務所通信

タイトル:ビジネスサポート通信

The Business Support Report 2023年5月1日号

インボイス制度の発足に向け、準備をお願いします!!

 先月号で、この春の統一地方選挙の結果が政局に与える影響についてコメントしました。結果が、自民党の「勝利」なのか、維新の「勝利」なのか、判断は分かれるところですが、少なくとも「岸田内閣の支持率の上昇」の世論調査の結果を考えると政局は「安定」として捉える事が出来ます。従って、今年10月のインボイス制度のスタート、来年1月からの電子帳簿保存法の施行は確実なものとなってきました。そのことを前提に実務的に対応策を検討しなければなりません。先ず課税事業者については、自らのインボイス登録の確認が大切です。その上で、取引先の免税事業者に対する対応を検討しなければなりません。インボイス制度の発足に伴う免税事業者への取引停止については、公正取引委員会から再三の警告が発せられています。免税事業者(1人親方、内職事業者、作家、画家etc)に対して話合いを進める必要があります。経過措置として免税事業者の課税仕入れ金額に対しては、3年間は8割相当額、その後の3年間は5割相当額の課税仕入れが認められています。又、公正取引委員会は、「優越的な地位の濫用に関する独占禁止法上の取り扱い」を明らかにして、免税事業者が不利な取り扱いを受ける事の無いように警告を出しています。一方、免税事業者の側としては、インボイスの登録をして課税事業者になるのか、今まで通り免税事業者で通すのか「選択」が迫られてきます。公正取引委員会の警告はありますが、登録事業者にとっては、課税仕入れの全額を控除出来る「取引先」を選択する傾向は大きくなることが予想されます。免税事業者が、インボイスの登録事業者になるときには、2割の納税で済ますことができます。(2割特例 2026年度までの経過措置)又、小売事業者の場合には、「領収書」の様式がインボイスかそれ以外の「領収書」かという事が、売上に影響する可能性も検討する必要があると思います。普通のサラリーマンがお客様でインボイスに関係のないようなお店でも、その領収書が会社に会議費などの経費とし認められる場合には、インボイスの発行できるお店である必要があると考えられます。サラリーマンとしては、会社からクレームの無い「インボイス登録事業者」のお店を選ぶ可能性は大きくなると考えられます。是非、検討をお願いします。

個人事業主のインボイス登録件数が増加
 
 東京商工リサーチが発表した「インボイス制度の登録数動向調査」結果によりますと、当初の申請期限だった3月末までのインボイスの登録件数は、累計268万件に達し、登録が伸び悩んでいた個人事業主が、3月に法人の2倍超となる18万1,032件の登録があり、累計85万6,060件に達しました。経過措置の効果や取引先からの要請、業務委託契約者の登録が押し上げたものとみられます。
 インボイス制度は10月1日に運用が開始されますが、当初は3月末が登録の申請期限が、9月末まで期限が延長されました。個人事業主は、納税が免除されている課税売上高1,000万円以下の免税事業者が多く、企業に雇用されない個人の業務委託契約者なども含めると個人事業主の免税事業者数は、法人数を大きく上回ります。業務委託契約者を含めた個人事業主の免税事業者から課税事業者への移行は、推計で約150万件が見込まれ、遅れていた登録件数を押し上げ始めているようです。
 支払側にも課題が多く、企業を中心とした支払側は、免税事業者と取引を継続すると経過措置もありますが、いずれ税負担が増える上に、免税・課税と区分した請求書の管理などコスト負担も重くなる事が考えられます。
 インボイス制度開始を見据え、負担増の把握とともに免税事業者との取引中止を決定した企業が増えれば、取引を継続するために個人事業主の登録がさらに増加する可能性もあります。現在、弊社では、免税事業者の方に、インボイス制度の登録申請をどうするかの確認を進めております。ご不明な点は、監査担当者にお訪ね下さい。
人材開発支援助成金
 
 人材開発支援助成金は、企業が雇用する社員に対して業務に関連した、専門的な知識や技術を習得するための研修を計画的に実施した場合に、その研修経費や期間中の賃金の一部を補助してくれる制度です。
内容によって複数のコースに分かれていますが、「人材育成支援コース」が多く活用されていますのでご紹介致します。

「人材育成支援コース」の訓練内容には、人材育成訓練、認定実習併用職業訓練、有期実習型訓練があり、そのうち人材育成訓練については企業が雇用する社員に業務に即した専門的な知識および技術を習得するため、OFF-JTにより実施される研修を10時間以上実施した場合に費用の一部を助成します。
 この助成金の種類は「賃金助成」と「経費助成」の2種類があり、その合計が企業に支払われます。
教育・学習を受ける社員、1人当たりの受講時間に対して支給されるのが賃金助成になり、1人1時間につき760円(大企業は380円)支給されます。
 経費助成は実施された訓練の経費が対象になり、経費助成率は、正規社員は45%(大企業は30%)、非正規社員は60%、非正規社員を正社員化した場合は70%が支給されます。
 また、今年度より「生産性要件」が廃止され、「賃金要件」「資格等手当要件」が新設されました。そのため、「賃金要件」または「資格等手当要件」のいずれかを満たした場合は、別途申請を行うことで、経費についてはプラス15%等の加算分が追加で支給されます。
 なお、訓練開始日から逆算して1か月前に計画届を提出することが必要です。新年度に入り、新人研修等人材育成に幅広く活用可能な人材開発支援助成金をご活用してみてはいかがでしょうか。

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